
留守番中にうちの子がインターホンに吠えちゃって、お隣さんの目が気になるの…。二重窓にすると鳴き声って本当にマシになるのかな? 費用もどれくらいかかるんだろう。
ペットの鳴き声対策として、防音カーテンや吸音パネルを試したものの「思ったより効かなかった」という声は少なくありません。音が漏れる経路のうち、もっとも弱点になりやすいのが窓だからです。壁の厚みに比べて窓はガラス1枚。そこにいくら室内側で吸音材を足しても、外への抜け道は残ったままになります。
この記事では、ペットの鳴き声対策として二重窓(内窓)リフォームを行う場合の費用相場と防音効果を、賃貸・分譲別の注意点まで含めて整理します。読み終えるころには、自宅の窓にいくらかければどれだけ静かになるのかを、数字で判断できるようになります。
- 二重窓(内窓)が鳴き声対策に効く理由
- 窓のサイズ別・ガラス別の費用相場
- 実際にどれくらい静かになるのか(デシベルの目安)
- 賃貸・分譲マンションでの可否と許可の取り方
- 費用を抑えるコツと、DIYで済ませられるケース
二重窓(内窓)とは?ペットの鳴き声に効く理由
二重窓とは、今ある窓(外窓)の室内側にもう1枚の窓を追加する工事のことです。「内窓」「インナーサッシ」とも呼ばれます。既存の窓を外して交換するわけではないため、工事は1か所あたりおおむね60〜90分で完了し、当日中に生活へ戻れるのが大きな特徴です。
音は「隙間」と「1枚のガラス」から漏れている
音の伝わり方はシンプルで、わずかな隙間があればそこから抜けていきます。一般的なアルミサッシは気密性が低く、サッシの合わせ目やレール部分に細かな隙間が残っています。壁の防音性がいくら高くても、この隙間が残っている限り鳴き声は外へ届いてしまいます。
二重窓が効くのは、この構造を根本から変えるためです。サッシがもう1組増えることで隙間が二重にふさがれ、さらにガラスとガラスの間の空気層が音の振動を吸収します。防音カーテンのような「表面で吸う」対策とは、効きかたの次元が違います。
犬の鳴き声は約90〜100デシベル
犬の吠え声は、至近距離で測ると90〜100dB程度とされます。これは電車が通るガード下や、犬用のしつけ本でよく例に出される「地下鉄の車内」に近い音量です。集合住宅の生活音として想定されている水準(40〜50dB程度)を大きく超えるため、そのままでは苦情につながりやすいのが実情です。
音は10dB下がると体感でおよそ半分の大きさに感じられます。つまり、鳴き声そのものを完全に消すのではなく「隣に届く音量を1段階下げる」ことが現実的なゴールになります。
二重窓リフォームの費用相場【サイズ・ガラス別】
費用は窓のサイズと入れるガラスの種類でほぼ決まります。以下は工事費込みの目安です。
| 窓のサイズ | 標準的な複層ガラス | 防音合わせガラス |
|---|---|---|
| 小窓(トイレ・浴室など) | 約4〜7万円 | 約7〜10万円 |
| 腰高窓(幅170cm前後) | 約8〜12万円 | 約12〜18万円 |
| 掃き出し窓(ベランダ側) | 約12〜18万円 | 約18〜28万円 |
防音重視なら「合わせガラス」を選ぶ
ここは間違えやすいポイントです。断熱性が高いガラス=防音性も高い、とは限りません。断熱の主役である複層ガラス(ペアガラス)は、同じ厚みのガラス2枚が向かい合う構造のため、特定の高さの音で共鳴してかえって音を通してしまう帯域があります。
鳴き声対策を主目的にするなら、樹脂の中間膜を挟んだ防音合わせガラスを選んでください。犬の吠え声が含む高めの周波数帯に効きやすく、追加費用は1か所あたり3〜10万円程度が目安です。断熱と防音を両立させたい場合は、厚みの異なるガラスを組み合わせた「異厚複層ガラス」も選択肢になります。
ふかし枠が必要なケースは+2〜3万円
内窓を取り付けるには、窓枠に6cm前後の奥行きが必要です。足りない場合は「ふかし枠」で枠を手前に出す追加工事が発生し、1か所あたり2〜3万円ほど加算されます。見積もりの段階で必ず窓枠の奥行きを測ってもらいましょう。

ぜんぶの窓をやる必要はないのよ。ケージのある部屋と、お隣さんに面した窓の2か所から始める人が多いわ。20〜30万円くらいが現実的なスタートラインね。
実際どれくらい静かになる?効果の目安
サッシの遮音性能は「T等級」という指標で表されます。数字が大きいほど音を通しにくく、既存の窓と内窓を組み合わせることで性能を底上げできます。
| 状態 | 遮音の目安 | 体感 |
|---|---|---|
| 古いアルミサッシ1枚 | 約10〜15dB低減 | 鳴き声が外にはっきり届く |
| 内窓を追加(複層ガラス) | 約20〜30dB低減 | 外では「何か鳴いている」程度 |
| 内窓を追加(防音合わせガラス) | 約30〜40dB低減 | 窓を閉めれば気づかれにくい |
90dBの鳴き声から30dB下がれば、屋外では60dB程度。これは普通の会話と同じくらいの音量まで落ちる計算です。「鳴いていることは分かるが、うるさいとは感じない」水準になり、苦情のリスクは大きく下がります。
二重窓が効くのは空気を伝わる音(空気伝播音)です。足音やジャンプの着地音のように、床や壁を伝わって階下へ響く「固体伝播音」には効果がありません。走り回る音への対策は、防音マットやクッションフロアなど床側の工事とセットで考えてください。
断熱・光熱費という副次効果も大きい
内窓の本来の得意分野は断熱です。住宅の熱の出入りは開口部の影響が大きく、夏は窓から熱が入り、冬は窓から熱が逃げます。内窓を入れると空気層が断熱材の役割を果たし、エアコンの効きが目に見えて変わります。
ペットと暮らす家では、この効果が防音以上に重要になる場面があります。留守番中もエアコンを止められないため、冷暖房の稼働時間が一般家庭より長くなるからです。窓際の温度ムラが減れば、ケージの置き場所の自由度も上がります。
- 夏の窓際の温度上昇を抑えられる…直射日光が当たるケージ周りの熱中症リスク低減につながる
- 冬の結露が減る…カビ・ダニの発生を抑え、皮膚トラブルやアレルギーの予防になる
- 冷暖房費の削減…条件によるが、年間で数千円〜2万円程度の削減が見込まれるケースもある
- 外の物音が減る…通行人や車の音に反応する「警戒吠え」そのものが減る
最後の項目は見落とされがちですが、効果としては非常に大きいところです。外の音が聞こえにくくなれば吠えるきっかけそのものが減るため、「音を防ぐ」だけでなく「鳴かせない」方向にも働きます。
賃貸・分譲マンションで二重窓は設置できる?
分譲マンション:室内側なので認められるケースが多い
マンションの窓サッシは共用部分にあたるため、勝手に交換することはできません。ただし内窓は専有部分である室内側に新設するもので、外観も変わらないことから、管理規約で認められている物件が多くあります。
とはいえ判断は管理組合ごとです。着工前に管理規約を確認し、必要であれば工事申請書を提出してください。申請から承認まで2週間〜1か月ほどかかることもあるため、スケジュールには余裕を持たせましょう。
賃貸:大家さんの許可が前提。断られたらDIYという手も
賃貸の場合は、ビス止めを伴う工事のため大家さん・管理会社の許可が必須です。「退去時に撤去して原状回復する」「費用は自己負担」という条件で認められることが多く、断熱性能が上がる工事は物件価値の向上にもなるため、交渉の余地は十分にあります。
「ペットの鳴き声が近隣のご迷惑にならないよう、既存のサッシはそのままに、室内側へ内窓を自費で設置したいと考えております。退去時には撤去し原状回復いたします。設置をご許可いただけますでしょうか。」
許可が下りなかった場合は、ビス止め不要のDIY内窓という選択肢があります。ホームセンターで販売されているレールとポリカーボネート板を組み合わせるタイプで、材料費は掃き出し窓1か所あたり1〜3万円程度。防音効果は本格的な内窓に劣りますが、隙間をふさぐぶん5〜10dB程度の改善は期待できます。

まずはDIYで試して、効果を確かめてから本格工事っていう順番もアリなんだね!
費用を抑える4つのコツ
1. 補助金制度を必ず確認する
窓の断熱改修は省エネ政策の対象になりやすく、国や自治体が補助金制度を用意している年度があります。窓のサイズや性能に応じて1か所あたり数万円が補助されるケースもあり、負担が大きく変わります。
制度は年度ごとに要件・予算枠・受付期間が変わり、予算上限に達した時点で早期終了することも珍しくありません。申請は登録された施工事業者を通じて行うのが一般的なので、見積もり時に「今年度使える補助金はありますか」と必ず確認してください。あわせて、お住まいの自治体の独自制度も調べておくと取りこぼしがありません。
2. 効果の高い窓から優先する
全窓を一度に施工すると総額は跳ね上がります。優先すべきは①ケージ・愛犬の定位置に近い窓 ②隣戸や道路に面した窓 ③面積の大きい掃き出し窓の順です。2か所に絞れば20〜30万円台に収まり、効果も体感しやすくなります。
3. 相見積もりは3社が基本
同じ製品・同じ窓でも、業者によって2〜3割の価格差が出ることがあります。内窓は施工内容が明確で比較しやすい工事なので、相見積もりの効果が出やすい分野です。ガラスの種類・ふかし枠の要否・処分費の扱いまで揃えて比較してください。
4. 複数箇所をまとめて依頼する
内窓工事は出張費・諸経費が固定でかかるため、1か所ずつ小分けに頼むと割高になります。将来的に他の窓もやる予定があるなら、同日にまとめたほうが1か所あたりの単価は下がります。床の防音工事など他のペット対策リフォームと同時に相談すれば、さらに効率的です。
まとめ:窓を止めれば、鳴き声トラブルの多くは防げる
ペットの鳴き声対策として二重窓リフォームを行う場合、費用の目安は1か所あたり4〜28万円。防音を重視するなら合わせガラス、優先度の高い2か所に絞れば20〜30万円台が現実的なラインです。
期待できる効果は20〜40dBの低減。90dBの吠え声が屋外では会話程度の音量まで落ちるため、近隣への影響は大きく変わります。加えて、断熱・結露・光熱費・警戒吠えの減少といった副次効果まで得られるのが、この工事のコストパフォーマンスの高さです。
一方で、走り回る足音のような固体伝播音には効きません。まずは自宅の悩みが「鳴き声」なのか「足音」なのかを切り分けたうえで、窓・床のどちらから手を付けるかを判断してください。賃貸でも、許可さえ取れれば撤去前提で設置できます。愛犬・愛猫と気兼ねなく暮らせる環境づくりの一手として、検討してみる価値は十分にあります。
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