猫の賃貸退去費用の相場は?安く抑える5つの対策

猫と暮らす賃貸、退去費用っていくらかかるの?

「猫を飼っているけど、退去するときにどれくらい費用がかかるんだろう……」。賃貸に住みながら猫を飼っている方なら、一度は不安に感じたことがあるのではないでしょうか。

実際のところ、猫を飼っていた賃貸物件の退去費用は、敷金の範囲内で収まるケースもあれば、数十万円の追加請求が発生するケースもあります。その差を生むのは、日頃の対策と退去時の知識です。

この記事では、猫を飼っている賃貸物件の退去費用の相場を具体的な金額とともに紹介し、費用を抑えるための実践的な対策や、万が一高額請求をされた場合の交渉方法まで詳しく解説します。最後まで読んでいただければ、退去時の不安がかなり軽くなるはずです。

猫の賃貸退去費用の相場はいくら?項目別に解説

猫を飼っていた場合の退去費用は、物件の広さや飼育年数、損傷の程度によって大きく異なります。ここでは主な修繕項目ごとに、一般的な相場を見ていきましょう。

壁紙(クロス)の張り替え費用

猫による損傷でもっとも多いのが、壁紙の引っかき傷です。爪とぎとして壁を使ってしまうケースは非常に多く、特に角の部分や柱まわりは被害が集中しやすいポイントです。

壁紙の張り替え費用の目安は、1平米あたり800円〜1,500円程度。6畳の部屋であれば壁面積はおよそ30平米前後なので、全面張り替えとなると2万4,000円〜4万5,000円が相場です。ただし、量産品のクロスか、ハイグレードなクロスかによっても金額は変わります。

なお、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、壁紙の耐用年数は6年とされています。入居から6年以上経過している場合、壁紙の残存価値は1円と見なされるため、経過年数に応じた減額交渉が可能です。この点は後ほど詳しく解説します。

フローリング・床の修繕費用

猫の爪による床の傷や、嘔吐・粗相によるシミも退去費用に影響します。フローリングの部分補修であれば1万円〜3万円程度ですが、広範囲の張り替えが必要になると6万円〜15万円以上になることもあります。

クッションフロアの場合は比較的費用が安く、1畳あたり2,000円〜4,000円程度で張り替えが可能です。6畳の部屋で全面張り替えとなっても1万2,000円〜2万4,000円ほどに収まります。

柱・建具の補修費用

柱や建具(ドア枠やドアなど)に猫が爪を立ててしまった場合の補修費用は、部分的な傷の補修で1万円〜3万円、交換が必要な場合は3万円〜8万円が目安です。

ハウスクリーニング・消臭費用

ペット飼育物件では、通常のハウスクリーニングに加えて消臭作業が必要になることがあります。通常のハウスクリーニングは1Kで2万5,000円〜3万5,000円程度、1LDKで3万5,000円〜5万円程度です。

これに消臭クリーニングが加わると、追加で1万円〜3万円ほどかかります。特にトイレ臭が染みついている場合は、脱臭処理の費用が上乗せされることがあります。

合計の目安

以上をまとめると、猫を飼っていた賃貸の退去費用の合計相場は以下のとおりです。

損傷が軽い場合:3万円〜8万円
壁紙の部分補修+通常のハウスクリーニング程度で済むケースです。日頃から対策をしていた場合はこの範囲に収まることが多いです。

一般的なケース:8万円〜15万円
壁紙の張り替え(一部屋分)やフローリングの部分補修が必要なケースです。多くの猫飼い主さんがこのあたりの金額になります。

損傷が大きい場合:15万円〜30万円以上
複数の部屋で壁紙全面張り替え、フローリングの広範囲張り替え、建具の交換などが必要なケースです。長期間にわたって対策なしで飼育していた場合に該当します。

退去費用を最小限に抑える5つの対策

退去費用の相場を見て「思ったより高い……」と感じた方も多いかもしれません。しかし、日頃からの対策次第で費用は大きく変わります。ここでは、実際に効果が高い対策を5つ紹介します。

1. 壁の保護シートを貼る

もっとも費用対効果が高いのが、壁の保護シートです。100円ショップやホームセンターで購入できる透明な保護シートを、猫がよく爪とぎをする場所に貼っておくだけで、壁紙へのダメージを大幅に軽減できます。

特におすすめなのは「ペット用壁保護シート」として販売されている商品で、幅90cm×長さ2.5mのロールタイプが1,500円〜3,000円程度で購入できます。これを壁の角や猫がよくいる場所に貼っておけば、退去時に数万円の壁紙張り替え費用を回避できる可能性があります。

2. 爪とぎグッズを複数箇所に設置する

猫の爪とぎ行動は本能的なものなので、やめさせることはできません。代わりに、爪とぎをしてよい場所を複数用意してあげることが重要です。

段ボール製の爪とぎは1個300円〜1,000円程度と安価なので、各部屋に1〜2個ずつ配置するのが理想的です。猫の好みに合わせて、横置きタイプと縦置きタイプの両方を用意すると効果的です。

3. 床にはジョイントマットやカーペットを敷く

フローリングの傷や粗相のシミ対策として、ジョイントマットやタイルカーペットを敷いておくのが有効です。6畳分のジョイントマットであれば3,000円〜8,000円程度で購入でき、フローリングの張り替え費用と比べれば圧倒的に安上がりです。

タイルカーペットは粗相した部分だけ取り外して洗えるタイプが便利で、猫のいる家庭には特におすすめです。

4. 定期的な爪切りを習慣にする

猫の爪を2週間に1回程度の頻度でカットしておくと、壁紙や床へのダメージが大きく軽減されます。自宅での爪切りが難しい場合は、動物病院で500円〜1,000円程度でやってもらえます。

5. 入居時の状態を写真で記録しておく

退去時のトラブルを防ぐうえで非常に重要なのが、入居時の物件の状態を写真で記録しておくことです。壁、床、柱、建具などを、日付がわかる形で撮影しておきましょう。

入居時からあった傷やシミを退去時に請求されるケースは少なくありません。写真で証拠を残しておけば、不当な請求に対して「入居時からあった損傷」として反論できます。

これから猫と暮らせる新しい物件を探す予定の方は、最初からペット対応の設備が整った物件を選ぶのもひとつの方法です。ペット可物件に特化した不動産サービスなら、退去費用のリスクが低い物件を紹介してもらえます。

ペット可物件を無料で探す
ペット住まいラボでは、宅建士がペット可物件に精通したアドバイスとともに、一都三県+大阪エリアで最適な物件を提案してくれます。

退去費用の請求書が届いたらチェックすべきポイント

退去後に届く費用の請求書(原状回復費用の明細)は、必ず内容を精査しましょう。言われるがまま支払ってしまうと、本来負担する必要のない費用まで支払ってしまう可能性があります。

経年劣化・通常損耗は借主の負担ではない

国土交通省の原状回復ガイドラインでは、経年劣化や通常の使用による損耗は貸主(大家さん)の負担とされています。例えば以下のようなものは、ペットの有無に関わらず借主負担にはなりません。

・日焼けによる壁紙の変色
・家具の設置跡(テレビ台や棚など)
・画鋲やピン程度の小さな穴
・通常使用による床の軽微な擦れ

請求書にこれらの項目が含まれている場合は、減額を求めることができます。

耐用年数による減価償却を確認する

前述のとおり、壁紙の耐用年数は6年です。例えば入居5年で退去する場合、壁紙の残存価値は新品の約17%にまで下がっています。つまり、壁紙の張り替え費用が5万円であっても、借主が負担すべき金額は理論上約8,500円ということになります。

請求書に耐用年数を考慮していない金額が記載されている場合は、ガイドラインに基づいた減額を求めましょう。

ペット特約の内容を再確認する

ペット可物件では、賃貸借契約にペット特約が設けられていることが多いです。特約の内容によっては、「ペットによる損傷は全額借主負担」とされている場合があります。

ただし、特約が有効となるためにはいくつかの条件があり、借主が特約について十分に説明を受けて理解していること、特約の内容が借主に一方的に不利でないことなどが求められます。あまりに高額な特約条項は、消費者契約法に基づき無効と判断されるケースもあります。

高額請求をされたときの交渉術と相談窓口

「思っていたよりずっと高い金額を請求された……」という場合でも、すぐに支払いに応じる必要はありません。以下のステップで対応しましょう。

ステップ1:明細の内訳を請求する

まずは費用の明細を書面で出してもらいましょう。「壁紙張り替え一式 15万円」のようなざっくりした請求では、妥当性を判断できません。どの部屋のどの箇所を、どのような単価で修繕するのかを確認します。

ステップ2:ガイドラインに基づいて反論する

明細を確認したら、国土交通省のガイドラインに照らし合わせて、減額できる項目がないか確認します。経年劣化に該当する項目や、耐用年数を考慮していない項目があれば、具体的な根拠を示して減額を求めましょう。

ステップ3:第三者に相談する

管理会社や大家さんとの交渉がうまくいかない場合は、以下の窓口に相談できます。

消費生活センター(188番):退去費用のトラブルは多く寄せられており、アドバイスをもらえます
法テラス(0570-078374):収入が一定以下の場合、弁護士への無料法律相談が利用できます
各都道府県の宅建協会:不動産に関するトラブルの無料相談窓口を設けています

実際に、退去費用の交渉によって請求額が半額以下になったというケースも珍しくありません。不当な金額だと感じた場合は、泣き寝入りせずに行動することが大切です。

今の住まいで退去費用が気になっている方のなかには、「いっそリフォームで原状回復してから退去した方が安くなるのでは?」と考える方もいるかもしれません。管理会社経由のリフォームより、自分で業者を手配した方が費用を抑えられるケースもあります。

無料でリフォーム見積もりを依頼
定額制リフォーム「イメチェン」なら、1平米あたり1万円の明朗会計。ペット対応の壁紙や床材への張り替えも対応しています。

次の引っ越しで退去費用リスクを減らすための物件選び

現在の退去費用を心配するだけでなく、次の物件選びで退去費用のリスクそのものを減らすことも重要です。

ペット共生型マンションを選ぶ

ペット共生型マンションは、最初からペットと暮らすことを前提に設計された物件です。腰壁パネルやペット対応フローリングが標準装備されていることが多く、一般的なペット可物件に比べて退去時の修繕リスクが大幅に低くなります。

契約時にペット特約の内容を必ず確認する

ペット可物件を契約する際は、ペット特約の内容を契約前にしっかり確認しましょう。特に以下の点は重要です。

・敷金の償却条件(敷金が何ヶ月分返却されるか)
・ペットによる損傷の負担範囲
・退去時のクリーニング費用の取り決め
・飼育可能な頭数や種類の制限

ペット可物件に強い不動産会社を利用する

一般的な不動産会社では、ペット可物件の取り扱い数が限られていたり、ペット特約についての知識が十分でなかったりすることがあります。ペット可物件に特化した不動産会社を利用することで、退去費用リスクの低い物件を効率よく見つけることができます。

ペット可物件を無料で探す
ペット住まいラボでは、一都三県と大阪エリアに対応。宅建士がペット飼育者の目線で、退去費用のトラブルが起きにくい物件を一緒に探してくれます。初期費用や退去時の条件も含めて相談できるので、安心して物件探しを進められます。

まとめ:猫との賃貸暮らし、退去費用は対策次第で大きく変わる

猫を飼っている賃貸の退去費用は、軽度な損傷であれば3万円〜8万円、一般的なケースで8万円〜15万円、大きな損傷がある場合は15万円〜30万円以上が相場です。

しかし、日頃から壁の保護シートや爪とぎグッズの設置、定期的な爪切りなどの対策をしておけば、費用を大幅に抑えることができます。また、退去時に届いた請求書は必ず内容を精査し、ガイドラインに基づいた適正な金額かどうかを確認しましょう。

猫との暮らしは何ものにも代えがたい幸せな時間です。退去費用の不安を少しでも減らして、安心して猫との生活を楽しんでください。

これから新しい物件を探す方は、最初からペットとの暮らしに理解のある物件を選ぶことが、長い目で見て一番の節約になります。ぜひペット可物件の専門家に相談してみてください。

この記事を書いた人

uchinoko_kurashi