
うちのオカメインコ、わたしが部屋を出るたびに大声で呼ぶの。朝6時から響き渡ってて…。お隣から苦情が来ないか、毎朝ヒヤヒヤしてる。
インコは「小さいから静か」と思われがちですが、実際はその逆です。体重80gのオカメインコでも、呼び鳴きのピークは90dB前後——犬の吠え声とほぼ同じ音量に達します。しかも鳴き声は高音域に集中するため、低音より壁を回り込みにくい反面、耳につきやすい性質があります。
ただ、インコの騒音トラブルは「鳴かせない」のではなく「鳴く時間帯と音の逃げ道をコントロールする」ことでほぼ解決できます。この記事では、鳴き声の実測レベルから原因別の止め方、費用つきの防音対策7選、そして賃貸で工事をするときの注意点までを順に整理します。
- インコの種類別の鳴き声レベル(さえずり50dB〜大型種の呼び鳴き120dB)と、苦情になる境界線
- 呼び鳴き・警戒鳴き・発情鳴き——原因ごとに変わる止め方
- 0円〜28万円まで、費用対効果順に並べた防音対策7選
- 賃貸で内窓や防音材を入れるときの許可の取り方と例文
- 実際に苦情が来てしまったときの対応3ステップ
インコの鳴き声はマンションで本当に迷惑なのか
結論から言えば、種類と時間帯次第です。セキセイインコ1羽なら問題になることはまれですが、オカメインコ以上のサイズになると、対策なしでは苦情のリスクが現実的に出てきます。
種類別・鳴き声の音量の目安
飼育者の測定例や一般的な資料から整理すると、おおむね次のレンジに収まります。あくまで至近距離(ケージから1m程度)での目安です。
| 種類 | 通常のさえずり | 呼び鳴きのピーク | マンション適性 |
|---|---|---|---|
| セキセイインコ | 約50〜60dB | 約60〜70dB | ◎ 対策は最小限で足りる |
| マメルリハ・サザナミインコ | 約50〜65dB | 約70〜80dB | ◎ 比較的静か |
| コザクラインコ・ボタンインコ | 約60〜75dB | 約80〜90dB | ○ 呼び鳴き対策が必須 |
| オカメインコ | 約60〜70dB | 約85〜95dB | △ 防音対策を前提に |
| ヨウム・大型インコ | 約80〜90dB | 約100〜120dB | × 集合住宅は要慎重判断 |
比較のために書いておくと、静かな住宅街の昼間が約45dB、通常の会話が約60dB、地下鉄の車内が約80dBです。オカメインコの呼び鳴きは、至近距離では地下鉄車内より大きいと考えてください。犬の吠え声(90〜100dB程度)とほぼ同じレンジです。
苦情ラインはどこにあるのか
環境省が定める騒音の環境基準では、一般的な住宅地で昼間55dB以下・夜間45dB以下が目安とされています。ただし、これは屋外の基準であって「これを超えたら即違法」というものではありません。実務上は、受忍限度——社会通念上がまんできる範囲かで判断されます。
判断を分けるのは音量そのものより、次の3条件です。
| 条件 | 苦情になりにくい | 苦情になりやすい |
|---|---|---|
| 時間帯 | 9〜20時に収まっている | 早朝5〜7時/22時以降に鳴く |
| 継続時間 | 数分で収まる断続的な声 | 30分以上続く呼び鳴き |
| 窓の状態 | 常に閉めている | 換気で開けたまま鳴かせている |
とくに早朝は致命的です。インコは日の出とともに活動を始めるため、夏場は朝4時台に鳴き出すこともあります。同じ音量でも、深夜・早朝の音は日中の倍以上うるさく感じられます。逆に言えば、時間帯さえコントロールできれば、トラブルの大半は避けられます。

「うるさいかどうか」は音量より時間帯で決まるのよね。まずは朝の1時間、そこだけ潰すのが一番効率がいいわ。
なぜ鳴くのか——原因が分かれば止め方も決まる
防音グッズを買う前に、まず原因を切り分けてください。呼び鳴きは環境と接し方で減らせますが、警戒鳴きは置き場所を変えるだけで消えることがあります。原因が違えば、効く手も変わります。
| 種類 | 見分けるサイン | 効く対策 |
|---|---|---|
| 呼び鳴き | 飼い主が部屋を出た直後に大声で鳴き、戻ると止む | 応答パターンの見直し・ケージ配置 |
| 警戒鳴き | 玄関のチャイム、廊下の足音、外の鳥の声に反応 | 窓際・玄関側から移動、視線を遮る |
| 発情鳴き | 春秋に増える、吐き戻しや巣作り行動を伴う | 日照時間の管理、巣材・鏡の撤去 |
| 退屈・欲求不満 | 時間帯を問わず単調に鳴き続ける | おもちゃの入れ替え、放鳥時間の確保 |
| 体調不良 | いつもと違う声、羽を膨らませる、食欲低下 | すぐに鳥専門の動物病院へ |
集合住宅でいちばん問題になるのは呼び鳴きです。厄介なのは、鳴いたときに「うるさい!」と返してしまうと、インコにとっては反応が返ってきた=成功体験になり、かえって強化されてしまう点。声をかけるなら、鳴きやんで静かにしている数秒のあいだに褒める——これが原則です。
海外では鳴管への外科的処置が行われた例もありますが、鳥にとって発声は呼吸器と直結した基本的な行動です。国内の鳥専門医で騒音目的の手術に応じるところはほぼなく、動物福祉の観点からも推奨されません。「鳴かせない」ではなく「音を外に出さない」で解決してください。
インコの鳴き声対策7選【費用が安い順】
上から順に試すのが最短ルートです。①〜③は今日から0円でできて、実は効果もいちばん大きい部分です。
① ケージの置き場所を変える(0円)
最も費用がかからず、最も効果が出やすい対策です。ポイントは3つあります。
- 窓から1m以上離す——音がいちばん漏れるのは壁ではなく窓(開口部)です
- 隣戸と接する壁から離す——できれば水回りやクローゼットを挟んだ側へ
- 玄関・廊下側を避ける——共用廊下の足音は警戒鳴きの最大の引き金です
間取り上どうしても窓際しかない場合は、ケージと窓のあいだに本棚やパーテーションを置くだけでも体感は変わります。ケージ位置の考え方は猫のケージはマンションでどう選ぶ?サイズと設置場所の設置場所の章も共通して使えます。
② 遮光カバーで生活リズムを整える(0〜8,000円)
早朝の鳴き声を止める決定打がこれです。インコは明るさで起床するため、日没後にケージへ遮光性のカバーをかけ、朝は自分が起きる時間まで外さないだけで、朝4〜6時の鳴き声はほぼ消えます。
目安は1日12時間の暗い時間の確保。市販の鳥用ケージカバーが3,000〜8,000円、遮光カーテンの生地や厚手の毛布で代用すれば0円です。ただし通気は必ず確保し、夏場は熱がこもらないよう側面を一部開けてください。発情抑制の効果も期待できるため、発情鳴きにも同時に効きます。
③ 呼び鳴きへの応じ方を変える(0円)
部屋を出るときに「行ってくるね」と声をかけ、鳴いても戻らない。静かになったタイミングで戻って構う。この順序を徹底するだけで、2〜4週間で呼び鳴きの頻度は目に見えて減ります。
ラジオや小さめの音楽をかけておくと、飼い主の生活音の代わりになって落ち着く個体も多くいます。やってはいけないのは「鳴いたら戻る」を繰り返すこと。これは呼び鳴きを最も効率よく教え込む方法です。
④ 吸音材・防音カーテン・ラグ(5,000〜30,000円)
ここから物理的な対策です。鳴き声は高音域が主体なので、実は厚手の布や吸音材がよく効く帯域にあたります。低音(犬の吠え声や足音)より対処しやすいのは、鳥飼いにとって数少ない有利な点です。
| アイテム | 費用目安 | 期待できる低減 | 賃貸適性 |
|---|---|---|---|
| 防音カーテン(1窓) | 5,000〜20,000円 | 約3〜7dB | ◎ 掛けるだけ |
| 吸音パネル(壁1面分・10枚前後) | 5,000〜15,000円 | 約3〜5dB | ○ 貼ってはがせる粘着材で |
| 防音ラグ・ジョイントマット | 3,000〜15,000円 | 約2〜5dB(下階向け) | ◎ 敷くだけ |
| 隙間テープ(ドア・窓枠) | 500〜2,000円 | 約2〜4dB | ◎ 原状回復も容易 |
1つあたりの低減量は小さく見えますが、音は経路をふさぐほど累積で効きます。カーテン+隙間テープ+吸音パネルで合計8〜16dB下がれば、体感の音量はおよそ半分です。合計1〜4万円で試せるので、内窓を検討する前にまずここまでやってみてください。
⑤ アクリルケース・防音ボックス(20,000〜150,000円)
ケージごと囲ってしまう方法です。鳥用アクリルケースは20,000〜60,000円、簡易防音室タイプなら60,000〜150,000円が目安。音源そのものを囲うため、部屋の防音より効率がいいのが利点です。
ただし密閉度が上がるぶん、換気と温度管理は必須になります。夏場は必ず送風・エアコン併用で、内部に温湿度計を入れて確認してください。飼育の快適性を落としてまで静かにするのは本末転倒です。
⑥ 内窓(二重窓)を設置する(1か所4〜28万円)
音の逃げ道は、壁ではなく窓です。既存のサッシの内側にもう1枚窓を足す内窓は、鳴き声対策として最も費用対効果が高いリフォームで、工事は1か所あたり1時間程度で終わります。
| 窓のサイズ | 複層ガラス | 防音合わせガラス |
|---|---|---|
| 小窓(〜0.8㎡) | 約4〜7万円 | 約7〜10万円 |
| 腰高窓(〜1.6㎡) | 約8〜12万円 | 約12〜18万円 |
| 掃き出し窓(〜2.8㎡) | 約12〜18万円 | 約18〜28万円 |
期待できる低減量はガラス構成によって約10〜40dB。断熱性も同時に上がるため、夏の室温管理と電気代にも効きます。詳しい選び方と補助金の使い方はペットの鳴き声対策に二重窓リフォーム!費用相場にまとめてあります。
⑦ 近隣への先回りの挨拶(0円)
技術的な対策ではありませんが、実務上いちばん効きます。苦情の多くは音量ではなく「誰が出している音か分からない不快感」から生まれます。両隣と上下階に「鳥を飼っています。うるさいときは遠慮なく言ってください」と伝えておくだけで、心理的な許容度は大きく変わります。
「対策もしています」と一言添えられれば、なお良いです。挨拶の実践的な進め方はマンションでペット苦情が来た時の正しい対応法も参考になります。

①〜③は全部0円で、しかも効果は上位だ。金をかける前にやることをやる。順番を守れば、④以降まで必要ないケースも多いぞ。
対策の費用対効果を一覧で比較する
7つの対策を、費用・効果・賃貸での実行しやすさで並べ直すと次のとおりです。
| 対策 | 費用 | 効果 | 賃貸で可能か |
|---|---|---|---|
| ① 置き場所の変更 | 0円 | ★★★ | 可 |
| ② 遮光カバー | 0〜8,000円 | ★★★ | 可 |
| ③ 呼び鳴きの対応変更 | 0円 | ★★★ | 可 |
| ④ 吸音材・カーテン | 5,000〜30,000円 | ★★ | 可 |
| ⑤ アクリルケース | 20,000〜150,000円 | ★★★ | 可 |
| ⑥ 内窓の設置 | 40,000〜280,000円 | ★★★★ | 要許可 |
| ⑦ 近隣への挨拶 | 0円 | ★★ | 可 |
おすすめの進め方は、①②③を2週間続けて様子を見る → 残った問題に④を足す → それでも苦情の懸念が消えないなら⑤か⑥という順序です。いきなり内窓から入ると、原因が呼び鳴きだった場合に20万円かけても解決しません。
賃貸で防音対策をするときの注意点
契約書の「小鳥可」を鵜呑みにしない
「観賞魚・小鳥は可」と書かれた物件は少なくありませんが、この「小鳥」がどこまでを指すかは明確ではありません。セキセイインコは通じても、ヨウムや大型インコで同じ扱いになるとは限らないのが実情です。サイズと鳴き声の大きさを具体的に伝えて、書面で確認を取ってください。
この「種類を明示して書面で確認する」という手順は、鳥に限らずエキゾチックアニマル全般に共通します。フェレットは賃貸で飼える?許可と臭い対策やハムスターは賃貸で飼える?許可の要否と注意点でも同じ考え方を解説しています。
内窓の設置には貸主の許可が必要
サッシは共用部分にあたるため勝手に交換できませんが、内窓は室内側に足すだけなので、許可が下りるケースは十分にあります。次のように伝えるとスムーズです。
「小鳥の鳴き声が近隣のご迷惑にならないよう、既存のサッシはそのままに、室内側へ内窓を自費で設置したいと考えております。退去時には撤去し原状回復いたします。設置をご許可いただけますでしょうか。」
断熱性能が上がって物件価値も上がるため、「そのまま残していってよい」と言われることもあります。工事の内容や相場感はペット防音リフォームの費用相場と効果にまとめています。
退去時に請求されやすいのは「壁」ではなく「床と周辺」
インコの飼育で原状回復の対象になりやすいのは、次の3か所です。
| 箇所 | 原因 | 予防策 |
|---|---|---|
| ケージ下の床 | 殻・羽・フンの飛散、水こぼれ | 防水シート+ジョイントマットを敷く |
| 周辺の壁紙 | 放鳥中のフン、飛散した餌のシミ | ケージ周囲に透明シートを貼る |
| 建具・巾木 | かじり癖による欠け | 放鳥は目の届く範囲・時間に限定 |
いずれも数千円の備えで防げます。放鳥スペースの床だけでも保護しておけば、退去時の張替え費用を避けられる可能性が高まります。
それでも苦情が来たときの対応3ステップ
実際に指摘を受けたら、初動がすべてです。順序を間違えなければ、ほとんどのケースは長期化しません。
- ステップ1:まず謝罪し、反論しない——「うちのはそんなに鳴かない」は最悪の一手です
- ステップ2:具体的な時間帯を聞き取る——「朝が特に」なら遮光カバーで即日解決できます
- ステップ3:実施した対策を報告する——「カバーを導入しました」の一言が信頼を戻します
放置して関係がこじれると、管理組合や法的手段に発展することもあります。犬のケースではありますが、実際に訴訟に至った例は犬の鳴き声でマンション裁判に?実際の判例と今すぐできる対策で紹介しています。初期対応さえ丁寧なら、そこまで進むことはまずありません。
いつ・誰から・どんな指摘を受け、何を実施したか。メモとレシートを残しておくと、万一トラブルが長引いたときに「対策を講じていた事実」を示せます。受忍限度の判断では、この積み重ねが効いてきます。

謝る・聞く・報告する。この3つだけ。言い訳から入ると、音の問題が人の問題に変わっちゃうから気をつけてね。
よくある質問
セキセイインコ1羽ならマンションでも大丈夫ですか?
ほとんどの場合、問題になりません。通常のさえずりは50〜60dB程度で、屋外に出るころには生活音に紛れます。ただし早朝の鳴き始めだけは例外なので、遮光カバーだけは用意しておくことをおすすめします。
防音ケージや防音室を買えば完全に無音にできますか?
無音にはなりません。市販品で期待できるのは10〜20dB程度の低減で、これは「聞こえるが気にならないレベルまで下げる」ためのものです。完全遮音を狙うと通気が犠牲になり、鳥の健康リスクのほうが大きくなります。
賃貸の壁に吸音パネルを貼っても大丈夫ですか?
貼ってはがせるタイプの粘着材や、突っ張り式のパネルを使えば問題ありません。強力な両面テープや画鋲での固定は、壁紙の剥離として原状回復の対象になり得ます。迷ったら床置きのパーテーション型を選んでください。
放鳥の時間帯は何時までにすべきですか?
20時までに終えるのが無難です。放鳥中は興奮して鳴き声も大きくなり、床への着地音も加わります。就寝時間から逆算して、日没後は暗い環境に移す流れを固定すると、生活リズムの安定にもつながります。
引っ越しを考えるなら、どんな物件を選べばいいですか?
鉄筋コンクリート造(RC造)で、隣戸と接する壁の向こう側が水回りやクローゼットになっている間取りが理想です。最上階・角部屋なら接する住戸が減ります。うさぎなど他の小動物でも物件選びの考え方は共通なので、うさぎは賃貸で飼える?飼い方と部屋づくりの5つの注意点も参考にしてください。
まとめ|インコの鳴き声は「消す」より「外に出さない」
インコの鳴き声は、セキセイインコで60〜70dB、オカメインコの呼び鳴きなら90dB前後に達します。数字だけ見れば犬と同等ですが、高音域が主体なので布や吸音材で対処しやすく、時間帯のコントロールが効きやすい——これが鳥飼いの有利な点です。
まずは0円でできる3つ、置き場所の変更・遮光カバー・呼び鳴きへの応じ方から始めてください。それだけで苦情リスクの大半は消えます。残った分は、5,000〜30,000円の吸音アイテムで積み上げる。ここまでで解決しないケースは多くありません。
それでも窓からの音漏れが気になるなら、内窓の追加が最終手段です。1か所4〜28万円で10〜40dBの低減が見込め、断熱による光熱費の削減も同時に手に入ります。賃貸でも、原状回復を前提に相談すれば許可が下りるケースは珍しくありません。お互いに気を遣い続ける暮らしを、設備側で終わらせるという選択肢もあります。
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